すごく良かった!
原田先生、こういうのは得意なのよね。
映像が綺麗だったし、セットの使い方も別箱なのになるほどーという感じだし、降ってくる雪も効果的。
この時代の不穏な空気立ち込めるロシアの雰囲気が伝わってきました。

組子がみんな上手かったのも良い意味でビックリだったのが印象的。
中日チームを華やかなメンバー中心にして、こっちは実力派を集めたのかしら、と失礼なことを思ってしまったんだけど(笑)、中日の出演者を見返しても実力者いっぱいいるし、なにより真の実力者達はDSの方に行っちゃってるし、ということで星組の底力をすごく感じた公演でした。

理事様(轟悠)個人がどうっていう話に限らないんだけど、真ん中にいる人が変わると周りにいる組子の照らされる側面も変わるから、意外な一面が見れるってこともあるよね。
なので、毎回はともかくたまになら自分は賛成派なんだよねー。(「BADDY」が毎回だと困るけど何年かに一度ならあんなに楽しいショーはないってのにも近いか?)

理事様も初めの方はちょっと声出てないかな?とか、さすがに同世代の設定には無理があるのでは?とか思ってたけど、だんだん演技も乗ってきて観客も引き込まれていくから、どんどん違和感がなくなってくるもの理事様のなせる技か。
老け役の輝咲玲央くんのおじさん演技がイジョーに上手いってのも十分あるだろうけど(笑)

個人的に理事様のことがなんだかんだ言ってそれなりに好きなのは、やっぱりこういう人は宝塚以外に存在しえないからなんだろうな。
みりおやだいもんやちゃぴも宝塚で長年経験を積んだトップレベルのタカラジェンヌであることには間違いないんだけど、でもそれは演劇女子部(ハロプロメンバーが男役もやったりする舞台)をものすごく延長させた先にいるかもしれない存在かもしれなくて、そして演劇女子部の線をどれだけ先に延ばしてもそこに理事様はいない。
舞台観ながらそんなこと考えてて、なんか腑に落ちました。
歌とかダンスだけじゃなく、こういうのも芸よね。


さて内容ですが、理事もくらっち(有沙瞳)もほのか(小桜ほのか)も役が「普通の人」の人物造形で、役作りも「普通の人」としてされてるように見えたのが、すごくリアリティがあって良かったなと。
3人とも英雄でも聖母でも悪女でも魔性の女でもなく普通の男女。
普通に恋愛して結婚したカップルが普通に不倫しただけの話なんだけど、だからこそ革命の激流に翻弄されるわけで、革命がなければ普通のよくある人生だった人たちだったのに、逆に言えば革命があったからこそ舞台として成立するドラマティックな人生になる。

良い人すぎるわけではないけど、決して悪い人ではないし、この本当に「普通の人」の演技の匙加減の上手さが、革命によって変わっていった(変わらざるを得なかった)人たちと対比されてて、革命の無常さも浮かび上がって、なるほどそういう話なんだなーと胸を打たれる。

くらっちのラーラは、いわゆる宝塚のヒロイン的存在ではなかったかもしれないけど、舞台上のそういう在り方がお見事だったし、当然のことながらソロ歌唱は絶品だったので、くらっちの実力を遺憾なく発揮されてました。なんでも上手いなー。

ほのかちゃんも貴族なんだけど、「貴族らしからぬ」により過ぎない、本当に自然な一般的な感覚を持った貴族としての振る舞いのバランスが良かったです。


で、今回の公演のMVPは満場一致で天寿光希でしょう!!
なんなの、このイケエロゲスフェロモン親父は!
ここも普通にやれば宝塚によくある悪役になっちゃうところなんだろうけど、あそこまでの人間の品性のいやらしさに満ち満ちているのに、宝塚の男役としてのカッコよさにも溢れている。
あのくらっちへの迫り方、くらっちのまさぐり方(言い方!w)、それだけじゃなく機を見て権力にすり寄る俗物さ等々、人としてチャーミングなところなんて一切ないにも関わらず、それでも観客の心をわしづかみにする人間的魅力。
天寿さん、よくぞここまで!と思うし、本人もやりがいあっただろうなー。
紅5のみんなの弟的イメージが強かったのに、いつのまにこんな素晴らしいおじ様役者に…。

天寿さんのコマロフスキーはどうしようもない俗物なのに、彼は彼なりにラーラを愛していたってのもそれも人間の二面性としてよくわかるし、その2つの側面を違和感なく両立できたのも天寿さんの演技あったこそだったな。
天寿さん、素晴らしかった!!


せおっち(瀬央ゆりあ)、ノってるなー。
理想に燃える青年、冷酷な革命者、どっちも熱量がすごくて、せおっちの今の勢いが非常にマッチした役柄でした。
歌もダンスも発揮できる場所があるからかどんどん良くなってきてるように思えるし、このまま波に乗ってほしいな。


紫りらちゃん、上手い。めっちゃ上手い。びっくりするくらい上手い。
わかりやすいフックがない役であっても、ここまで上手いと思わせてくれる上手さよ。
あと、りらちゃん見てると、品があるってこういうことなんだろうなーと思えるよね。好き。


ワーシャ役の天希ほまれ君、可愛くて美味しかったね。可愛い。(大事なことなので2回言いますw)


自分で色々感想書いてて気が付いたけど、今回思った組子の上手さって、どれもやりすぎない絶妙な匙加減の演技の上手さってことだったんだな。
星組は良くも悪くも過剰なところが個性で魅力なんだと思うんだけど、このお見事なバランスを活かせる演目を本公演でも見てみたいなー。(でも、次の落語はザ・星組っぽそうw)


最後に、ラーラは日本人的感覚からすると音の響きがヒロインっぽくてわかりやすいんだけど、そのほかの登場人物がオーリャだのパーシャだのミーシャだのワーシャだのトーニャだのわかりづらいことこの上なく、これがロシアものの難点よねw
開演前に役名を予習してても、音の響きが似すぎてて途中で大混乱でした(笑)
さっぱりさっぱりw


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