「カンパニー」、演目発表されたらすぐ読んで、青柳はたま様(珠城りょう)にぴったりで、高野は美弥ちゃん(美弥るりか)以外ありえないってくらいだったから、すごくすごく楽しみにしてたんですが……。

演出だーいしという点だけが唯一の懸念点だったんですが、自分の総合評価としては覚悟してたよりはマシだけど、期待してたよりははるかに低いという感じですかね。(どんだけだーいしへの期待値が低いんだw)

舞台で良かったセリフとかは全部原作準拠で、何なんだこれは…と思ったとこが全部だーいしオリジナルなのよね。
小説が良かっただけに少しの違いも認められない原作厨になってしまったのか、初見で見てもだーいしパートはアレなのか、自分じゃあもはや判断できないので、もう言いたいことを書きます(笑)
※文句ばっかです。


そもそもさ、小説「カンパニー」のテーマって、実務能力はあるけど流されるままに仕事をしてきて自分のないサラリーマンが、リストラ出向くらった先で仲間と出会い、主体性に芽生えて自分からやりたい仕事を知り再生していくって話で、そんな変わっていく青柳に感化されて、変われない美波が一歩踏み出す勇気をもらい、ひたすら自分とだけ戦い続けてた高野が少しだけ仲間のために踊るようになる、そういう話じゃないですか?

なのに、青柳は初めっから主体性と正義感に溢れコミュ力もある超イケリーマンで、じゃあ妻を亡くした孤独から立ち直ることがテーマなのかと思いきや、銀橋で歌って亡きまゆみさんに「今日も頑張るよ」って言ってる時点で、青柳はもう受け入れて前に進もうとしてるわけじゃないですか?(公演解説の「妻を亡くし生きる意欲を失った」ようには到底見えないんですけど)
この物語を経て、青柳は何が成長したの?有能たま様が難題解決してみんなハッピーってお話?

話の根本を改変してるから、その他の部分もその都合に合うように改変されちゃって、ますます原作からは離れていく連鎖。

・バーバリアンを自分から引っ張ってくる紗良(青柳が初めて自分から動き出すエピソードであり、紗良のプリンシパルとしての自負を示すエピソードなのでは)
・瀬川と一緒にウィーンに行く青柳(尺やスターの出番の都合もあろうけど、一人で突っ走る瀬川の熱意の裏の思いを知る高野と、その2人の飛行機やらホテルやらを日本からサポートする調整能力の高い青柳の描写なのに)
・紗良を怪我させてトイレで泣く那由多とそんな那由多を奮い立たせるために引っ叩く高野(肋骨の間に指が入った生々しい感触で吐くのはすごくよくわかるのに、なぜあんなギャグっぽいメンタル弱いキャラみたいな描き方にするのか。そしてこれから舞台に立つ人に顔を殴るような人間じゃないだろ高野は)
・瀬川を「由衣」と、呼び捨てにする高野(いやだからそういう人間じゃないだろうし、それにしたって「初めて名前で呼ばれた!」って紋切り型がすぎるだろうよ。小説だと那由多も「水上」呼びだったよね?短い時間で苗字・名前の両方が出てくると初見の人が混乱するかもしれないけど、それでも相手をどう呼ぶかってキャラクターの肝よね)
・盆踊りフラッシュモブ(あれはフラッシュしてるだけで、フラッシュモブじゃないだろw だーいしフラッシュモブが何かわかってないのでは?舞台でフラッシュモブ表現するのは難しいだろうけど、例えば実際に客席で組子を蛍のお姉さんに扮させて急に躍らせれば、すごくインパクトあるし、フラッシュモブ感強いと思うんだけど)
・ただのバイトも頑張るバレリーナ美波(実力は紗良より上なのに本番で力を発揮できないタイプで、青柳と出会って勇気をもらい、そして自分の力で海外に飛び立っていくのが大事なのでは。紗良によるご褒美留学ってなんだ?せめてご都合でもエージェントによる無償にするとかさあ。それと有給MAX使ってせいぜい2ヶ月いっしょに青柳が行ったからってどうなるの?2ヶ月の短期留学なの?)
・アンチだのなんだののあのくだり(原作はもっとさらっと気の利いたこと書いてるのに…。もう何も言えません…)


そういう細かい改変にもオイオイと思ってるのに、削る必要のないエピソードを削って、まったくいらないオリジナル場面を足すのもホントにだーいし…。

個人的に残すべきだと思ったのは、美波の練習を一人見る青柳とその後の会話、「なぜ踊るのか」の青柳と高野のやりとり、高野の過去の怪我の掘り下げと「計算を間違えたから靭帯を切ったのでは」、高野から紗良への「よくやった」、「新解釈 白鳥の湖」から「バレエ」の言葉が外されたことに追いつめられる那由多等々。
でもこの辺も、だーいし改変後のシナリオでは確かに不要なんだよなー。もったない。


で、もっと意味不明なのはだーいしオリジナルパート。

「月が綺麗ですね」って、もうコスられ倒されすぎてて何の味もしないだろ、この言い回し。
だーいしは最近初めて知ったのかよ、このエピソードw
いくらなんでも過ぎて「マジで…」となり、ここが「カンパニー」でも一番のドン引きポイントでした。最後の大オチまでこれて。
他の言いたいこと全部目を瞑るから、ホントこれだけでも明日からでいいから何とかしてほしい!
あーもう。

レッスン頑張る那由多を「優雅に泳いでるように見えても水面下で必死に足を漕ぐ白鳥」に例える高野さんもねえ。
「白鳥の湖」だからそう言わせてるんだろうけど、それにしたって陳腐すぎないか。大真面目な顔でそんなこと言ってる人が周りにいたら、笑っちゃうでしょ。よく耐えたよ、ユイユイもw
こういう紋切り型を恐れないやっつけ表現こそが、だーいしのだーいしたる部分なのよね。

謎の相撲推し。何?


上記が「勘弁してくれポイント」なのに対し、「デリカシーなさすぎだろポイント」が「ライバルは幽霊」発言。
あのさぁ…好きになった人の亡くなった妻だよ。「ライバルは思い出」とかでいいのに、なぜ「幽霊」。いつまゆみさんが化けてでてきたんだ?しかもそれを言ってる相手の紗良は、まゆみさんの友達なんだよ。
言わねーだろ、というかそういう無配慮な発言しちゃうような人は、紗良から後押ししてもらえないだろーよ。
こういうセリフ言わせてるし、努力が報われない描写も足りなすぎだから、美波に全く感情移入できないんですけど…。

あとさ、死因わざわざガンって特定する必要ある?

だーいしオリジナルで唯一良いところは「空手柔道書道合わせて十段の猛者」のとこだなw
悔しいけど、あそこ笑っちゃう!ww


ということで、「カンパニー」の良い点は全部原作準拠部分と当て書きのようにぴったりな組子の頑張りで、悪い点は全部だーいしなんだよなあ。

みやわかで、みやうみで、みやたまなのが最大の長所(笑)
直接的に一番密着するのが、わかばでも海ちゃんでもなく、まさかのたま様とはw

組子はいいんだけどね~。
たま様の通勤着(リーマンリュック!)、けだるげな寝起きの美弥ちゃん、頑張ってオラつくけどどうみても純情真面目なかなと君(月城かなと)、ひたすら可愛いありちゃん(暁千星)、お嬢様としか言いようのないわかば(早乙女わかば)、ジャージが似合うハッスル海ちゃん(海乃美月。ジャージにマフラーはだーいしのフェチか?w)、キャリアウーマンにしか見えないすーさん(憧花ゆりの)、そして本読んでる時はすーさんでしか考えられなかった瑞穂先生を完璧に演じてらした京三紗さん。
いっちゃんさん素敵だよねー、今年のいっちゃんさんのおとめの写真が瑞穂先生になるの嬉しいな。


その他記憶に残ってるとこ

・唐突に始まる祭りに「ザ・タカラヅカ!」を感じるw

・太陽王のくだりは確かに面白いんだけど(笑)、初めて宝塚観に来た人はいったいなぜ笑いが起こってんのかわかんないだろうな(^_^;)

・稽古場にも会議室にもバーバリアンや高野悠様のパワーウイングのポスター貼ってるのが美味しいよね。バーバリアン、つい見ちゃうもん(笑)
中でももっくん(貴澄隼人)のあのサングラス、面白いけどいいのかw いるけどさ、ああいう人w

・「白鳥の湖」を歌う悠さん。
「バレエは歌もセリフもなく踊りで表現しないといけない」という前振りがよーく効いてて、むしょーに面白かったw
歌うのかよ、みたいなww
流れ的に公演が再開したのかと思ったしね。バレエの舞台で歌うんかい!的なさw
(2回目からは、無事普通にカッコいい美弥ちゃんとして楽しめましたけど)

・コンビニの籠持って銀橋で軽やかに歌うちゃぴは可愛かったですけども、あの籠に入ってる弁当やサンドイッチは食品サンプルなのか終演後に毎回スタッフが美味しくいただいてるのかどっちなんでしょう(^_^;)


ということで好き勝手書いてきましたが、これだーいし完全オリジナル作品なら結構イケてるじゃん!って内容ではあるんだよね。
でもあの舞台への情熱と人間はちょっとしたことで前を向けるという再生を描いた名作がなんでこうなるのかと。順当に小柳先生か生田先生に任せておけば、「BADDY」と合わせて傑作になってたのに。
惜しい、というのが正直な感想ですかね。あーもったいない、絶対もっと面白い舞台になってたはずなのに!!


あと最後に書こうかどうか迷ったけど、やっぱり書く。
だーいしがおじいちゃんの見識で書いた「男に生まれても女として何年か暮らせば女子大に入れる時代」、そういうこと宝塚で言うの危険だと思うんだけどどうだろう。
もちろん世間一般にはそれは良い流れなんだけどさ、そういう人が宝塚受験しても合格できるの?それとも容姿端麗やスキルを盾にして落とすの?
「日本人は日本舞踊踊っとけ」もさ、ハーフではない(一般的に想起されるであろう)外国人の方が受験しに来た時どうすんのって同様に。
それが良いとか悪いとかの話じゃなく、観劇中にそういうとこまで考えを及ばせかねないのが良くないのではと言いたくて。
宝塚の根本であるなんで結婚したらダメなの?ってことを、夢の世界の力業で観客に忘れさせるのが宝塚なんじゃないのかなーなんて。

あーやっぱり、だーいしだな。
現代ものじゃなければここまでおもわないんだろうけど。あー、だーいし。。。


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