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演目発表された時から全ヅカヲタの話題をさらいまくっていた上田久美子先生初のショー作品「BADDY」初日を見てきました。

一言で感想を言いますと………もうサイッコーです!!!!!
「カンパニー」の方は色々言いたいことがある作品なだけに、「BADDY」の素晴らしさ・革新性が余計に際立つという(笑)

開演前に公表されたスチールの時点で我々をざわつかせてくれてましたが、ショーの内容はさらにそれ以上!
組子のキャラクターがどれも強すぎるし、どうなるのかまったくわからないスピーディーな展開、最初から最後まで一瞬も気を抜くことなく笑いっぱなしで、カッコいい部分もちゃんとあり、そして何より「今、新しいものを見ている」という興奮に溢れた1時間でした。


「BADDY」の何が凄いって、ウエクミ先生の主張がゴリゴリに詰め込まれてるのに、それをレベルの高いエンターテイメントで覆い隠してるとこだと思います。
メッセージ性に溢れた(というか溢れすぎた)内容であるにも関わらず、別にそれを必ずしも観客が受け取る必要もなく、キャラクターショーとしてだけでも楽しめる作りにしてる。

なんかその姿勢がつんくイズムにも通じるところがあるなーと勝手に思ってて、つんくが確実に日本の投票率を押し上げ(ハロヲタの投票率は他のヲタクの投票率よりも有意に高いはず)、美味しいご飯に世界平和を感じ、何かあってもロックやん精神で生きることを音楽でさりげなく浸透させているように、ウエクミ先生のこういうショーが定期的に大劇場で公演されたら、もしからしたら本当に人と人が違うことを認めあえる社会に一歩近づくんじゃないかとすら思った。
繰り返しだけど声高に主張するわけでなく、エンタメで覆ったサブリミナルなテーマがキャラクターショーとして見てる子どもたちにも、自分含め思想が固まってきてるおっさんおばさんにも、そして組子たちにもふとした時に思い出し影響を与えるような、じわじわした効果があるんじゃないか、なんて。


まだ2回しか見れてないので、細かいところが仕込まれすぎたこのショーの全容を解明できたわけでないけれど、ウエクミ先生のテーマとしてあるのは、「多様性」というか「他者への寛容」だよね。

地球で犯罪が103年間起きてないにも関わらず有能な捜査官がいるのは悪党を月送りにしてるからだということが示唆されてるし、全大陸の緑化に成功したら逆に極地の生物は生きられなくなっちゃう。
全大陸禁煙も全人類が望んでるわけでなく、王様がタバコを吸おうとしたり(ということは闇でタバコを作る業者もいるわけで)、このピースフルプラネットのピースが全員の統一意思ではなく、一部の独善的な正義によって維持されてるということになるわけで。

プログラムのウエクミ先生の言葉にあるように「グレー」な部分の大事さが一番のテーマなんだと思います。
「白でも黒でもどっちでも好きな方でいいんだよ」という多様性ではなく、「わかりやすい定義の言葉に縛られず曖昧だっていいんだよ」という多様性。

その象徴が我らが美弥るりか演じるスイートハート様で、「彼は男?女?」と作中でも言われてるけど、男だ女だスポーツ紙の「BADDY」の記事にあった「LGBTを取り入れ」的なアホみたいな単純さではなく、スイートハートはスイートハート。生きたいように生きる。スイートハートが従うのは世間の常識でも愛するバッディでもなく、スイートハートの価値観だけ。

そしてもう一人ポッキー巡査(月城かなと)も。
正義と悪という二元論でなく、正義に行ったり悪に行ったりまた正義に戻っちゃったり、みたいな人間はそんなどっちか片方だけにくくられるもんじゃない、という存在なんだよね、ポッキー巡査は。

(ウエクミ先生はそれを言葉で直接的に言わずに楽しいエンターテイメントとして表現してるのに、だーいしはアンチだのなんだと矮小な言葉でまとめやがって…とまたしても言いたくなるけど、それは「カンパニー」の感想の時にまた書きますw)

さらに言えば、メタ的に考えると「たまには宝塚にこういうショーがあってもいいよね」ってことが白黒だけじゃないグレーの世界の表現にもなってるんじゃないかと。
グレーも必要だけど、白と黒も必要なのが人間だからね。ウエクミ先生も決して「BADDY」がスタンダードで宝塚全体がもっとこういう方向に進化していくべきとは考えてないだろし。


「BADDY」がまたスゴいのはこんなに斬新な内容でありながら、宝塚のお約束(デュエダン、ロケット、群舞、羽、せり上がりせり下がり等々)を全部含んでるということだけど、よく考えたらむしろこれは「BADDY」というよりそれらを含めたらどんなメチャクチャな内容でも宝塚のショーとして成立するという、100年かけて培った宝塚のフォーマットがスゴいのかも。
これも白だけでも黒だけでもないことの良さということで。


ということで「BADDY」を見て受けた衝撃について色々考えたことを書き連ねましたが、長くなっちゃったし、今から雪組のLV行かなきゃなんないんで(笑)、場面ごとの細かい、ただの楽しかった!というだけの感想はまた次回。

にしても、ウエクミ先生がずっとやりたかったことがこれで、これをやらせてもらえるための実績づくりとして「星逢一夜」や「金色の砂漠」や「神々の土地」があったと思うとまた味わい深いよねw
もちろんそれらの作品もウエクミ先生のやりたかったことなんだろうけど、お芝居は「わたしの解釈以外認めない」くらいの勢いだったウエクミ先生が、ショーになると「どうぞ好きに解釈してください」的な内容になるのも面白いなーと思う。

あー次の観劇は3月…、早くまたバッディとスイートハート様に会いたい…。
バッディバッディバッディ~~。


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